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子育ての悩み

子どもの噛みつき・ひっかき|保育園でよくある理由と対応法

「また噛まれた……」「また引っかいてしまった……」という連絡帳や電話を受けたとき、親はどう受け止めればいいのか、正直戸惑いますよね。

やられた側も、やった側も、その親も——みんなしんどい思いをするのが、噛みつき・ひっかきのトラブルです。「うちの子、こんなに乱暴なの?」「発達に問題があるの?」と不安になるお母さんも少なくないと思います。

保育教諭として毎年のように噛みつき・ひっかきのある子を担任してきましたが、これは「乱暴な子がやること」でも「育て方の問題」でも、ほぼないです。ほとんどの場合、言葉が育つ途中の自然な発達の一場面なんです。

この記事では、なぜ起きるのか・園でどう対応しているのか・親としてどう関わればいいかを、現場目線でまとめました。

目次
  1.  噛みつき・ひっかきはなぜ起きるの?
  2. 年齢別に見る「やりやすい時期」
  3. 保育園での対応とお迎え後の関わり方
  4. やられた側の親として知っておきたいこと
  5. やった側の親として知っておきたいこと
  6. 家庭でできること
  7. 【まとめ】
  8. 【編集部より:アボ隊長のコメント】

 噛みつき・ひっかきはなぜ起きるの?

まず前提として、噛みつきやひっかきは「悪意があってやっている」ことはほとんどないです。特に1〜2歳の子どもは、怒りや悲しみ、「取られた!」「やめて!」という気持ちを言葉で表せないから、体で表現するしかないんですよね。

言葉が出てくる前の子どもにとって、口や手は感情を伝える最大のツールです。「これは自分のもの」「嫌だ」「来ないで」を伝えるために噛んだり引っかいたりする。それが噛みつき・ひっかきの正体です。

感情の発達と言語発達のバランスが取れてくると、自然に減っていきます。3歳ごろには「言葉で言える」子が増えるので、多くの場合は時間が解決してくれます。

年齢別に見る「やりやすい時期」

0〜1歳:口でものを確かめる時期

この時期の噛みつきは、「何でも口で確かめたい」という発達的な行動の延長です。友達が近くにいると、確かめるように噛んでしまうことがある。悪意はまったくないです。

1〜2歳:一番多いのがこの時期

自己主張が強くなり、「自分のもの」「やりたい」という気持ちが爆発するのに、言葉がまだ追いついていない。感情のあふれが行動に出やすいのがこの時期で、保育の現場でも噛みつきが最も多いのが1歳後半〜2歳ごろです。

うちの次女がちょうどこの時期に噛みつきがありました。自宅でもお姉ちゃんを噛むことがあって、最初はびっくりしましたが、「伝えたかったんだね」と理解してから対応が変わりました。

2〜3歳:言葉が育ちはじめて徐々に減る

2歳後半になると「貸して」「やだ」「わたしの!」などが言えるようになる子が増えます。それにつれて噛みつきやひっかきは減っていくことが多いです。ただ、言葉が遅めの子は少し長引くこともあります。

3歳以降:ほぼなくなるが個人差あり

3歳以降もまれに続く子はいますが、言葉と感情のコントロールが発達してくるとぐっと減ります。3歳を過ぎても頻繁に続く場合は、発達面や環境面で気になることがないか確認する機会にしてもいいかもしれないです。

保育園での対応とお迎え後の関わり方

保育園では何をしているの?

「噛もうとする瞬間」を先生がいかに止められるか、が現場のポイントです。完全に防ぐことはできないのが正直なところで、だからこそ「なぜその子が噛みつきやすいのか」を分析して、先手を打つ対応が求められます。

具体的には——おもちゃの取り合いが起きやすい場面に先生が近くにいる、噛みつきやすい子の隣に先生が座る、感情が高ぶりはじめたタイミングで声をかけて介入するなど。完璧にはできないけれど、できるだけ未然に防ぐよう動いています。

お迎え後の関わり方

「今日も噛んだ」と聞いたとき、家でどう関わればいいか迷いますよね。

大事なのは、帰宅後に「なんで噛んだの!」と責めないこと。子どもは「噛んだ瞬間の理由」を後から説明できないし、責められると「噛んだ自分はダメだ」というネガティブな記憶だけが残ってしまいます。

それより、「今日楽しかったこと」を聞いて、穏やかな時間を過ごす方が有効です。感情が安定すると、問題行動も落ち着いてきます。

やられた側の親として知っておきたいこと

「うちの子が噛まれた」と連絡を受けたとき——正直、腹が立つのは当然です。傷になっていたり、泣いて帰ってきたりしたら、心配と怒りがないまぜになる気持ち、すごくわかります。

ただ、保育の現場では「相手の子どもの名前」は伝えないことが基本です。「誰にやられたかわかれば親同士で話し合える」と思うかもしれませんが、それが親同士のトラブルや子ども同士の関係悪化につながるリスクがあるため、多くの園がこの方針を取っています。

「誰がやったか教えてほしい」と思う気持ちはわかりますが、園の対応方針として受け止めてもらえると助かります。一番大事なのは「再発を防ぐために園が何をするか」を確認することです。

やった側の親として知っておきたいこと

「うちの子が噛みつきました」と連絡が来たとき——申し訳なさと恥ずかしさで頭が真っ白になる方も多いと思います。

でも、繰り返しになりますが、これは「育て方が悪い」ことのサインではないです。発達の過程でよくあること、と園側も理解しています。謝罪の気持ちは大切ですが、必要以上に自分を責めなくていい。

「どうすれば減らせますか?」と園に相談することが、一番建設的な動きです。担任の先生と連携して、「こういう場面でやりやすい」「最近家でこんな様子がある」という情報を共有すると、対応策が立てやすくなります。

家庭でできること

気持ちに「言葉をつけてあげる」

「取られて悲しかったんだね」「嫌だったんだね」と、子どもの感情を言葉にしてあげることが一番の長期対策です。「こういう気持ちはこういう言葉で言えるんだ」という学習が、言語発達につながります。

噛みつきが起きたときの代替手段を教える

「噛むんじゃなくて、先生を呼んでね」「イヤなときは手を出してね(押す真似)」など、感情の発散方法を教えてあげることで、徐々に噛みつきの代わりになる行動が育っていきます。

スキンシップを増やす

噛みつきが続く時期は、子どもが何らかのストレスや不安を抱えていることも多いです。抱っこ・膝の上・くっついて絵本を読むなど、安心できる体験を意識的に増やしてあげてください。

【まとめ】

噛みつき・ひっかきは、決して「乱暴な子」「育て方が悪い」のサインではないです。言葉で気持ちを伝えられないから体で表現する、それだけのことなんです。

やった側の親もやられた側の親も、しんどい思いをするのがこのトラブルの特徴ですが、多くの場合は言葉の発達とともに自然に落ち着いていきます。

大事なのは、子どもを責めるより「どう伝えればよかったか」を一緒に考えること。そして、園と家庭が同じ方向を向いて連携すること。それができていれば、必ず乗り越えられます。

今しんどいと感じているお父さん・お母さん、あなたの育て方は間違っていないです。

【編集部より:アボ隊長のコメント】

保育教諭として長年働いてきて、毎年のように噛みつき・ひっかきのある子を担任してきました。0歳児クラスから1歳、2歳と持ち上がりで見ていると、「去年あんなに噛んでいたのに、今年はすっかりお兄ちゃんだな」という場面に何度も立ち会ってきました。

噛みつきって、親にとっても先生にとっても本当にストレスのかかるトラブルです。やられた側のお子さんには傷が残ることもあるし、やった側の子の親は毎日謝ってばかりで疲弊してしまうこともある。

でも、現場で見ていると、噛みつきをしていた子が「言葉が出てきた瞬間」にぱたっとやめる、という変化が本当によく起きます。それがわかっているから「もう少しだよ」と伝えたい気持ちでいつもいます。

自分の子どものことでいうと、次女の噛みつきがあったとき、保育教諭のくせに家で「なんで噛むの!」と感情的になってしまったことがあります(笑)。自分の子になると、やっぱり冷静でいられないんですよね。それくらい、親にとっては正直しんどいことだと思います。でも、終わりは絶対に来ます。(アボ隊長)


執筆:アボ隊長(園活ナビMAGAZINE 編集部・保育教諭・3児のママ)

※本記事は一般的な育児情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。噛みつきやひっかきが長期間続く場合や、発達面で気になることがある場合は、かかりつけの小児科医や市区町村の子育て支援センターにご相談ください。

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