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年齢別の育ち

1歳なのに言葉が出ない…それって遅いの?保育教諭が本音で答えます

「もうすぐ1歳半なのに、まだ言葉が出ない」「同じ月齢の子はもうしゃべっているのに、うちの子は…」

検診のたびにドキドキして、育児書を読んでは比べて、SNSで同月齢の子の動画を見ては不安になる。そういうループ、入ったことありませんか。

先に言っておきます。1歳前後の言葉の発達は、個人差がものすごく大きいです。本当に大きい。保育教諭として毎年0〜1歳児クラスを担当してきた私が見てきた子どもたちも、1歳時点では「え、もうこんなに話せるの?」という子もいれば、2歳近くまでほぼ無言だったのに急に爆発的に話し始めた子もいます。

この記事では、1歳の言葉の発達の目安と、家でできること、そして「さすがに相談した方がいいかな」と思うタイミングを整理しました。不安を煽りたいわけじゃなく、必要な情報だけ届けたいと思って書いています。

目次
  1. 1歳の言葉、どのくらいが「普通」?
  2. なぜ言葉の発達に差が出るの?
  3. 家でできること・やってあげられること
  4. 「ちょっと心配かも」と思ったら
  5. 【まとめ】
  6. 【編集部より:アボ隊長のコメント】

1歳の言葉、どのくらいが「普通」?

発達の教科書的な目安としては、1歳ごろに「意味のある言葉(ママ・わんわんなど)」が1語出始めるとされています。1歳半で単語が数語〜10語程度、2歳ごろに「ワンワンきた」「マンマほしい」のような2語文が出てくる、というのが平均的なイメージです。

ただ、これはあくまで「目安」です。健診で使われる基準も、あくまで多くの子を統計的に見たときの平均であって、その通りじゃないといけないわけではありません。

実は言葉には「ためる時期」があります。一見何も言葉が出ていないように見えても、頭の中では言葉をどんどん吸収しているんです。それがある日突然「ドカーン」と出てくる。これを「言語爆発」と言いますが、保育の現場では毎年目の当たりにする光景です。1歳半まで一言も出なかった子が、2歳手前で急に20語以上話し始めたケースも、珍しくないです。

なぜ言葉の発達に差が出るの?

1歳の子どもが積み木で遊びながら声を出しているシーン

言葉が遅い理由は、一つじゃないです。

まず大きいのが気質や性格。慎重な子、観察タイプの子は「完全にわかるまで話さない」傾向があります。逆に社交的でおしゃべりな気質の子は早めに言葉が出やすい。これは育て方の差ではなく、もともとの個性です。

きょうだい構成も関係します。上の子がよく話しかけてくれる環境だと、言葉の発達が早くなる傾向があります。一方、一人っ子で静かな環境だと、言葉のインプットが少なめになることも。どちらがいい悪いではないですよ。

それから聴力の問題が原因になっていることもまれにあります。聞こえていないと、そもそも言葉を覚えにくい。「よく聞こえてなさそう」「呼んでも振り向かない」という様子があるときは、早めに耳鼻科か小児科に相談してください。

あとはテレビやスマホの視聴時間。一方的に音が流れているだけの環境より、人と顔を見ながら話すやり取りの方が言葉は育ちます。「テレビはつけっぱなし」という環境が長く続いているなら、少し減らしてみるのも一つです。

家でできること・やってあげられること

親が子どもの目線に合わせてしゃがみ、ゆっくり優しく話しかけているシーン

「何かしてあげたい」という気持ち、すごくわかります。ただ、焦って「これをやらなきゃ」と義務にしてしまうと逆効果になることもあるので、楽しみながらできるものを選んでください。

まず一番効くのは「実況中継」

日常のことを声に出して話しかけるだけで十分です。「今からお風呂入るよ〜」「わんわんいたね!」「おいしいね、にんじん」。文法とか難しいことは考えなくていいです。子どもの目の前にあるものを一緒に見ながら言葉にする、それだけでいい。

よく「どんな言葉を教えればいいか」と聞かれますが、特別な教え方は必要ないです。日常会話がそのまま言語の教科書になります。

指差しをしたら「答えてあげる」

1歳前後になると、子どもが指差しをするようになります。「あ!」と言いながら何かを指している——このとき「そうだね、ワンワンいるね」とすぐに言葉で返してあげてください。

指差しに答えてもらえる経験を繰り返すと、「言葉を使えば伝わる」という感覚が育ちます。これが言葉の発達にとってすごく重要なんです。逆に指差しがあまり出ていない子は、その点もあわせて経過を見てあげてください。

絵本の読み聞かせは「読まなくていい」

「絵本を読んであげた方がいい」とよく言われますが、ちゃんと読まなくても大丈夫です。絵を一緒に見ながら「これ何かな?」「わんわんだね」と会話するだけで十分。ページを飛ばしても逆に読んでも問題ないです。読み聞かせは「正しく読む場」じゃなくて「一緒に楽しむ場」です。

テレビ・動画は「一緒に見て話しかける」形に

完全にゼロにする必要はないですが、ながら見ではなく「一緒に見てリアクションする」スタイルにすると、言語のインプットとして機能しやすくなります。「あ、アンパンマン出てきたね」「バイキンマンだ!」と声をかけながら見るだけで全然違います。

「ちょっと心配かも」と思ったら

心配な気持ちがあるなら、相談していいです。「大げさかな」と思う必要はないです。むしろ早めに動いた方が、親も子どもも楽になることが多い。

こんなサインがあるときは、かかりつけの小児科か地域の発達支援センターに相談してみてください。

・1歳半になっても意味のある言葉(ママ・パパ・わんわんなど)が全く出ていない

・名前を呼んでも振り向かない・目が合いにくい

・指差しがほとんど出ていない

・一度出ていた言葉が減っている(後退している)

・親がいなくても全く気にしない様子がある

ただ、これらのサインがあったからといって「絶対に何かある」ということではないです。ただ、見てもらう価値はある。相談したら「様子を見ましょう」と言われることも多いし、それはそれで安心材料になります。

「心配だけど誰に言えばいいかわからない」というときは、1歳半健診・3歳健診の問診票に正直に書いてみてください。そこから相談につながることがほとんどです。

【まとめ】

1歳の言葉の発達は、個人差がとにかく大きい。目安はあくまで目安で、それより遅くても多くの場合は問題ありません。

家でできることは難しくないです。日常会話をそのまま声に出す、指差しに答えてあげる、絵本を一緒に楽しむ——これだけでいい。「何か特別なことをしなきゃ」と焦る必要はないです。

心配なサインがあるときは早めに相談してください。相談して損はないし、早く動いた方が選択肢が広がります。一人で抱え込まないでほしいです。

保育教諭が1歳の子どもと絵本を読み聞かせしているシーン

【編集部より:アボ隊長のコメント】

保育教諭として毎年0〜1歳児クラスを担当していますが、言葉の発達は本当に子どもによってバラバラです。

一番印象に残っているのは、1歳10ヶ月まで「あー」「うー」しか言わなかった男の子が、ある朝突然「せんせー!おはよ!きょうさむい!」と完全な文章で話しかけてきた日のことです。びっくりしすぎて二度見しました(笑)。あの子の中でずっと言葉がたまっていたんだな、と思うとじんとします。

私自身の3人の子どもも、言葉が出た時期はみんな違いました。早かった子も、ゆっくりだった子も、今は全員ちゃんとうるさいくらいしゃべります(笑)。

「遅いかも」と思ったとき、一番してほしくないのが「比べて落ち込むこと」です。その子のペースがある。ゆっくりでも、ちゃんと育っています。


執筆:アボ隊長(園活ナビMAGAZINE 編集部・保育教諭・3児のママ)

※本記事は一般的な育児情報の提供を目的としており、医療・発達診断のアドバイスではありません。お子さんの発達が気になる場合は、かかりつけの小児科医や地域の発達支援センターにご相談ください。

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