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年齢別の育ち

3歳 言葉が遅い|発達の目安と「様子見でいい基準」を保育教諭が解説

「3歳になったのに、まだうまく話せない」——そんな不安を抱えているお母さん、お父さんは少なくないと思います。

同じ月齢の子がペラペラしゃべっているのを見ると、ついつい比べてしまうんですよね。「うちの子、大丈夫なのかな」って、頭の片隅でずっと気になってしまう。

保育教諭として3歳児クラスを担当していると、言葉の発達のスピードが子どもによって本当にバラバラだとわかります。3歳の4月に単語しか話せなかった子が、3歳の12月には長い文章をしゃべっていたりする。逆に3歳でよくしゃべっていても、何か別の発達の特性が後から見えてくることもある。数字や比較だけでは、わからないことがたくさんあるんです。

この記事では、3歳の言葉の発達目安と「様子見でいい基準」、「相談した方がいい基準」を整理しました。不安を解消するヒントを持って帰ってもらえたら嬉しいです。

目次
  1.  3歳の言葉の発達目安
  2. 「様子見でOK」のサインと「相談した方がいい」サイン
  3. 言葉を引き出すためにおうちでできること
  4. 保育園・幼稚園の先生に相談してみる
  5. 専門機関への相談先と受診の目安
  6. 【まとめ】
  7. 【編集部より:アボ隊長のコメント】

 3歳の言葉の発達目安

3歳ごろの言葉の発達は、個人差が大きいのが正直なところです。「○○ちゃんはもうこんなにしゃべれる」と比べても、あまり意味がないというか、親の焦りが増えるだけで子どもには何も関係ないんですよね。

とはいえ、目安を知っておくと安心できることもあるので、大まかなポイントを整理しておきます。

3歳ごろの言葉の発達の目安

まず「3語文(3つ以上の単語をつなげた文)」が出てくるかどうかが一つの目安です。「ワンワン、あっち、行った」「パパ、おそと、遊ぼう」のような形です。

また、自分の名前を言える、簡単な質問(「これ何?」「どこいくの?」)に答えられる、といったことも3歳の一般的な発達目安とされています。

ただ、言葉の「量」より「コミュニケーションが取れているかどうか」の方が重要だと、保育の現場では感じています。単語が少なくても、指差しや表情で気持ちを伝えようとしている子と、言葉が多くても視線が合いにくく会話が成り立たない子では、見方が違ってくるんです。

「様子見でOK」のサインと「相談した方がいい」サイン

ここが一番気になるところだと思います。正直に言うと、「様子見でいいかどうか」の判断って難しくて、画一的な答えはないんです。でも、目安になるポイントはあります。

様子見でOKのサイン 言葉は少なくても、こんな状態なら焦りすぎなくて大丈夫です。

  • 目が合う・表情が豊か
  • 指差しで「あれ!」と伝えようとする
  • 名前を呼んだら振り向く
  • ジェスチャーや声のトーンで気持ちを伝えようとしている
  • 言葉の理解はある(「靴持ってきて」と言えば持ってくる)

コミュニケーションをとろうという意欲が見えている子は、言葉の数が少なくても「言語理解」や「社会性」は育っていることが多いです。

相談した方がいいサイン 一方、こんな場合は早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • 3歳になっても一語文(単語のみ)しか出ていない
  • 名前を呼んでも振り向かないことが多い
  • 目線が合いにくい
  • 以前できていた言葉が減った・なくなった
  • 言葉の理解も難しそうな場面が多い

特に「以前できていたことができなくなった」は、すぐに相談することをおすすめします。

言葉を引き出すためにおうちでできること

「何かしてあげたい」と思う気持ち、すごくわかります。ただ、焦って詰め込むのは逆効果なので、まずは「会話を楽しむ」ことを意識してみてください。

実況中継をしてみる

子どもが何かしているとき、「あ、積み木積んでるね」「わあ、高くなったね!」と実況するように声をかけてみてください。答えを求めなくていい。「言葉シャワー」として聞かせるだけで、語彙が少しずつ蓄積されていきます。

これ、保育の現場でも意識してやっていることです。特に言葉の少ない子には、こちらから一方的に話しかけ続けることが効果的なことがあります。

選択肢を2つ出す

「何が食べたい?」より「りんごとバナナ、どっちがいい?」の方が答えやすいです。選択肢を2つ出すことで、発語のハードルが下がります。正解じゃなくてもOK。「バナナ!」と言えたら大げさに喜んであげてください。

絵本の読み聞かせは「問いかけ付き」で

「次、どうなると思う?」「このくま、何してるかな?」と声をかけながら読むと、話す機会が自然に生まれます。うちの次女は読み聞かせでずいぶん言葉が出てきた気がします。毎日10分でも続けると変化が見えてきますよ。

テレビ・スマホの時間に気をつける

一人でテレビやスマホを見ている時間が長いと、言葉のやりとりの練習機会が減ります。見るなら一緒に見て「これ何?」と話しかけながら視聴するのがおすすめです。

保育園・幼稚園の先生に相談してみる

「専門機関に行くほどかな……」と迷っている段階なら、まず担任の先生に相談してみるのがいいと思います。

園では毎日子どもを見ているので、「家では話さないけど園では声が出ているか」「お友達とのやりとりはどうか」など、家庭では気づきにくい情報を持っていることが多いです。

遠慮せずに「言葉のことが気になっていて」と話しかけてみてください。先生も「一緒に見ていきましょう」という気持ちでいるはずです。私もそうでした。

専門機関への相談先と受診の目安

「やっぱり専門家に診てもらいたい」と思ったときの窓口をまとめます。

かかりつけの小児科 まずは健診でかかっている小児科に相談してみてください。言語発達に詳しいかどうか確認して、必要なら専門機関への紹介状を書いてもらえます。

市区町村の子育て支援センター・保健センター 1歳6ヶ月健診・3歳健診で気になることを伝えると、言語聴覚士や臨床心理士への相談に繋いでもらえることがあります。無料なので活用してほしいです。言語聴覚士(ST)のいる病院・発達支援センター 言葉の専門家です。発音や語彙、コミュニケーションの発達を評価してもらえます。療育が必要かどうかの判断もしてもらえるので、早めに繋がっておくと安心です。

【まとめ】

3歳の言葉の発達は、本当に個人差が大きいです。同じ月齢でも、しゃべりが得意な子とそうでない子がいて、「遅い=問題」とは一概に言えないんですよね。

ただ、「なんか気になる」という親の直感は大事にしてください。数値や目安だけじゃなく、毎日見ているお母さん・お父さんの感覚が一番の判断材料だと思っています。

様子見でOKなことも多い。でも、気になるなら相談して損はないです。早く相談したことで「大丈夫でしたよ」と言われれば安心できるし、支援が必要なら早い方がいい。どちらに転んでも、相談は正解なんです。

【編集部より:アボ隊長のコメント】

うちの子どもたちも、言葉の出方はそれぞれ全然違いました。

長女は3歳前からよくしゃべっていたんですが、次女は3歳になっても単語中心で、正直少し心配していました。保育教諭として「個人差がある」とわかっていても、自分の子のことになると不安になるんですよね。

当時、担任の先生に相談したら「園ではお友達に話しかけようとしていますよ」と教えてもらって、すごく安心した記憶があります。家と外では全然違う顔を見せることがある、というのを改めて実感した瞬間でした。

次女は3歳半ごろから急にしゃべり出して、今は止まりません(笑)。三女はもともとマイペースで、言葉よりも行動で気持ちを表すタイプ。子どもって本当に一人ひとり違うんです。

「うちの子だけ遅い」って思いがちですが、保育の現場で毎年たくさんの3歳児と関わってきた私が言えるのは、「言葉が遅くても、ちゃんと育っている子がほとんど」ということ。不安な気持ちはそのまま先生や相談窓口に話してみてください。(アボ隊長)


執筆:アボ隊長(園活ナビMAGAZINE 編集部・保育教諭・3児のママ)

※本記事は一般的な育児情報の提供を目的としており、医療・診断アドバイスではありません。お子さんの発達が心配な場合は、必ずかかりつけの小児科医や専門機関にご相談ください。相談窓口:各市区町村の子育て支援センター・保健センター、かかりつけ小児科

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