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子育ての悩み

2歳の癇癪はなぜ起こる?今日から使える対処法7選

スーパーの床に寝転んで大泣き。気に入らないと物を投げる。「イヤ!」しか言わない。

2歳の癇癪、本当に消耗しますよね。「しつけが悪いのかな」「どこかおかしいのかな」と不安になっているお父さん・お母さんも多いと思います。でも安心してください。2歳の癇癪はほぼ全員が通る道です。おかしくも、育て方が悪いわけでもない。

保育教諭として2歳児クラスも見てきた私が言えるのは、「癇癪が激しい子ほど感情が豊かで伸びしろがある」ということ。私も自分の子育てで同じように悩みました。現場と自分の経験をもとに、「なぜ起きるか」と「今日から使える対処法」をまとめます。

目次
  1. 2歳の癇癪、なぜ起きるの?
  2. 癇癪が起きやすい「あるある場面」
  3. 今日から使える対処法7選
  4. やってしまいがちなNG対応
  5. 癇癪がひどくなる時期・落ち着く時期
  6. 「これは受診した方がいい?」と思ったら
  7. 【まとめ】
  8. 【編集部より:アボ隊長のコメント】

2歳の癇癪、なぜ起きるの?

もどかしそうな表情で涙をこらえる2歳の子ども

「やりたい気持ち」と「できる力」をどんどん超えていく——それが2歳です。

この時期の子どもは、自分でやりたい・自分で決めたいという気持ちが急に育ちます。なのに言葉はまだ全然追いつかない。手先も思い通りに動かない。そのもどかしさが爆発するのが癇癪なんですよね。

感情をコントロールする脳の部分(前頭葉)は、2歳ではまだほとんど機能していません。大人でも疲れてストレスがたまると感情的になりますよね。2歳の子どもは、それがいつもの状態なんです。責めるのは少しかわいそうかも、と思いませんか。

あと一つだけ先に言っておくと——「魔の2歳」って言うけど、実際は1歳半ごろから始まって3歳ごろまで続くことが多いです。「2歳が終われば楽になる」と思っていると少し拍子抜けするかもしれないので(笑)。

癇癪が起きやすい「あるある場面」

毎日癇癪が起きるように見えても、よく観察するとだいたい場面が決まっています。保育園での観察と保護者の声をもとにまとめると、こんな場面が多いです。

・遊びを中断させたとき(「もうおしまいだよ」)

・思い通りにできなかったとき(積み木が崩れた、靴が履けないなど)

・選択肢をもらえなかったとき(「これ着て」「こっちに行くよ」)

・眠い・お腹が空いている(これが圧倒的に多い)

・場所が変わったとき(外出先・初めての場所)

「眠いかお腹が空いている」は本当に多くて、これだけで癇癪の半分くらいは説明がつくと思います。「昨日よりひどい」と感じたら、まず睡眠と食事のタイミングを振り返ってみてください。

今日から使える対処法7選

しゃがんで子どもの目線に合わせて優しく話しかけるお母さん

全部やる必要はないです。1つだけ試してみてください。

① 気持ちをそのまま言葉にする

「イヤだったね」「悔しかったね」——泣いている子どもに向かって、気持ちを代わりに言葉にしてあげる方法です。「泣き止みなさい」より「悔しかったんだね」の方が、子どもは落ち着きやすいです。

最初はちょっと恥ずかしいというか、しっくりこないんですが、続けていると子どもの泣き方が変わってくるのがわかります。「わかってくれた」という顔に変わる瞬間、けっこう感動しますよ。

② 選択肢を2つ渡す

「早くして」ではなく「赤い靴と青い靴、どっちにする?」。「ご飯食べて」ではなく「スプーンとフォーク、どっち?」。これだけで動いてくれることが多いです。

選択肢は2つまでがポイント。3つ以上あると子どもが迷いすぎます。

③ 予告する

「あと5分で終わりだよ」「次の角を曲がったら帰るよ」——変化の前に一言予告するだけで、切り替えがぜんぜん違います。突然「終わり!」と言われたら大人でも戸惑いますよね。それと同じです。

④ その場から少し離れる

安全を確認した上で、少しだけ距離を置いてみること。「見てもらえてる」と思うと泣き続けることもありますが、反応がなくなると意外と早く落ち着くことがあります。離れる前に「落ち着いたら話そうね」と一言添えるのが大事。完全無視とは違います。

⑤ 共感してから説明する

「そうだよね、食べたかったよね。でも今はご飯の時間だから、おやつは後でね」——この順番が大事です。先に「ダメ」を言うと、もう話を聞いてもらえません。まず共感、それから理由。これだけで子どもの反応がかなり変わります。

⑥ 起きる前に環境を整える

癇癪が起きやすい時間帯や場面がわかってきたら、そもそも起きにくい状況を作れます。スーパーに行く前に軽食を食べさせる。眠くなる前に切り上げる。触らせたくないものを視界から消す。予防できるものは予防した方がお互いラクです。

⑦ 親自身が深呼吸する

正直これが一番難しい(笑)。子どもが興奮しているときに親も感情的になると、場がどんどん悪化します。深呼吸1回だけでいいです。

「また始まった」ではなく「今日も自己主張できてるな」と視点を少し変えるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。

やってしまいがちなNG対応

悪気なくやってしまいがちなことを正直に書きます。

・怒鳴り返す

これは子どもがさらに興奮するし、親も消耗するし、いいことが何もないです。わかってるけどやってしまう、というのが一番つらいんですが。

・「なんで泣くの!」と理由を聞く

癇癪中の子どもは、自分でも理由がわかっていないことがほとんどです。聞かれてもパニックが悪化するだけなので、落ち着くまで待ちましょう。

・毎回要求を通してしまう

泣いたら通ると学習すると、エスカレートします。「これは譲れない」というラインを事前に自分の中で決めておくことが大切です。外での癇癪のとき、周りの目が気になって折れてしまいがちですが、ここが踏ん張りどころです。

・焦って早く解決しようとする

外で床に寝転ばれたとき、本当に焦りますよね。でも焦りって子どもにちゃんと伝わるんです。「見られてもいい」くらいの気持ちで、いつもと同じ対応を心がけてください。

癇癪がひどくなる時期・落ち着く時期

2歳〜2歳半がピークという子が多いです。3歳を過ぎると言葉が増えてきて、「イヤ」「悔しい」「やりたかった」と言えるようになり、行動での爆発が少しずつ減っていきます。

ただ、保育園入園・引越し・下の子の誕生など環境が変わると、一度落ち着いていた癇癪が戻ってくることもあります。「また始まった…」ではなく「環境に慣れようとしてるんだな」と受け止めてあげられると、少し楽になるかもしれません。

「これは受診した方がいい?」と思ったら

癇癪自体は正常な発達の一部ですが、こんなサインがあるときはかかりつけの小児科や発達相談の窓口に相談してください。

・自分の頭を床や壁に打ち付ける

・息を止めて失神する(憤怒けいれん)

・癇癪が1時間以上続く

・3歳を過ぎても激しい癇癪が毎日続いている

・言葉の発達がかなり遅い

「大げさかな」と思っても、相談して損はないです。地域の子育て支援センターや保健センターでも相談を受け付けています。早めに動いた方が、結果的に親も子どもも楽になることが多いです。

【まとめ】

2歳の癇癪は、育て方の問題でも子どもの異常でもありません。「やりたい」という気持ちが「できる力」を超えてしまっている、それだけのことです。

まず気持ちを言葉にして共感する。選択肢を2つ渡す。変化の前に予告する。これだけでかなり変わります。あとは眠い・お腹が空いているタイミングを避けるだけで、予防できる癇癪はぐっと減ります。

3歳を過ぎると言葉が増えてきて、少しずつ楽になっていきます。今が一番しんどい時期かもしれないけど、必ず抜けられますよ。

【編集部より:アボ隊長のコメント】

保育教諭として2歳児クラスも担当してきた、3人の子どもを育てたママでもあります。

正直に言うと、わが子の癇癪には保育のプロとしての冷静さが吹き飛びました。スーパーで床に寝転ばれたとき、頭の中の知識が全部消えて、ただ「早く立って…!」と念じていた記憶があります。保育の現場と自分の家とでは、やっぱり全然違うんですよね。

3人育てて気づいたのは、癇癪の激しさと将来の自己主張の強さって、わりと比例するということ。よく泣いてよく怒っていた子ほど、大きくなったとき「自分の意見をちゃんと持てる子」になっていくのを、現場でも家庭でも見てきました。今は大変でも、その感情の豊かさはきっと強みになります。(アボ隊長)


執筆:アボ隊長(園活ナビMAGAZINE 編集部・保育教諭・3児のママ)

※本記事は一般的な育児情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。お子さんの発達が心配な場合は、かかりつけの小児科医や発達支援センターにご相談ください。

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